小さな恋のメロディ一覧

小さな恋のメロディと黄金比

永い間、ブライダルフォトグラファーをしていました。

幸せの瞬間に立ち会うのは本当に感動的で、
それぞれに違うドラマがそこには存在していて、
気が付いたら24年もの時間が経過していたことが今でも全く信じられず、
強いて言えば自分自身の体力の低下がここ数年で一気に顕著になったことくらいで・・・。
いつも「結婚式って本当に良いな・・」と思い続けて撮影していました。

特に『新婦より新郎の方が1.5倍相手を好き』と感じる光景を目にするのが、
私の密かな楽しみのひとつでした。

子供の頃に観た『小さな恋のメロディ』と言う1971年のイギリス映画が大好きで、ストーリーは同じ学校に通う少年少女の淡いラブストーリーで、
本国のイギリスとアメリカではヒットしなかったものの、日本では大ヒットしたアラン・パーカー監督の処女作。

幼さゆえの切なさとか、未熟さゆえの危うさとか、不器用だけど純粋といった
思春期特有のアンバランスな感性が充満した映画の世界観が、子供心に『恋ってステキ』っていう、ある種のプロトタイプを植えつけた映画でした。

気が弱く大人しい主人公の少年ダニエルが放課後にバレエのレッスンをする
美少女の主人公メロディを目にした途端恋心が芽生えて、そこから淡いラブストーリーが展開していくのですが、1.5倍増で新婦のことが大好きな新郎を見ると必ずこの映画を思い出して、頭の中でビージーズのサントラを流しながら勝手に胸を熱くして撮影していました。

1.5倍増と感じるのは私の勝手な主観だったのですが、最近ふと「これもしかしたら黄金比?」と思い始めました。

黄金比は最も美しいとされる対比を数値化したもので、厳密には1:1.618
古代ギリシャで発見され、パルテノン神殿やピラミッドなどの歴史的建造物などにも応用されています。

クリエイティブな仕事をされている方は、おそらく皆さん日頃から意識的に取り入れている安定的な『美』の基準で、私自身も撮影時には常に念頭に置いている要素です。

人が美しいと感じる物体の法則と、この身勝手な解釈に関連性があるかはさておき、
1.5倍増の愛情で新婦を見つめる時の新郎の目は、ダニエルがメロディを発見して時が止まったように釘付けになって、ただひたすら相手を見つめ続けていた、あのときめいた少年の目と同じ輝きをしているのは、確かだと思います。

そしてその安定した愛情に包まれている時の女性たちは本当に美しくて、
そんな瞬間を見続けられたことに、今はただひたすら感謝です。