最近、何故だか子供の頃のことを良く思い出します。
母親と行った夕食の買い物の帰りに買って貰ったすあまの味とか、
お天気の良い春先、
一人で縁側に座っていつまでも日向ぼっこをしていた事とか、
そのどれもが何の変哲も無い、日常の瞬間的な出来事なのに
とても懐かしく大切に思い出されます。
すべての思い出に共通しているのは、嬉しかったり、心地良かったり、
当時の自分の心が喜びを感じた出来事ばかり。
幼い心が感じた小さな幸せのかけらが、今の自分を潤してくれています。
去年、急に思い立って自分に雛人形を買ってあげました。
とても小さな、お内裏様とお雛様だけの、可愛いちりめんのお人形。
厄払いの意味があるので2月の中旬くらいまでには飾った方が良いそうで、
早速小さな箱から出してカウンターに飾ってみました。

桃の節句は女の子のお祭りとして定着していますが、
その起源は季節の節目に厄払いをする男女共通の行事だったそうです。
桃の花には『魔除け』や『長寿』のパワーがあるとされているそうですが、
やさしい色合いや小さくて可愛い花の姿から、
女の子の健やかな成長と幸せを願うひな祭りにはぴったりな気がします。
うっすら微笑みながら、
二人でちょこんと並んで座っているお雛様を眺めていると、
それだけでとても癒されます。
ひな祭りは、女性が女の子に帰る日。
自分の喜びや楽しみを再確認して、暖かい春に備える日なのだと思います。