桜が散って、大好きな新緑の季節がやって来ました。
那須高原はこの時期一面新緑の若葉色に染まって、桃源郷のようだといつも感じています。
新緑のトンネルの中を走り抜けてドライブしていると、なんて贅沢な場所に暮らしているのだろうと、ついつい遠回りをしてしまいます。
那須高原は関東と言っても幾分他県と比べて冬が長く、殊更に新緑の青葉が目に眩しく映ります。
ようやく春の到来です。

最近参加したカラーの勉強会の際、代表者の方が
『究極のカラーセラピーは空間である』
と仰っていましたが、まさに那須高原の持つ要素のすべてが癒しだと感じていて、私は勝手にパワースポットと呼んでいます。
実際、森の樹々は眺めているだけでも眼精疲労に効果があったり、その空間にいるだけで筋肉の緊張をほぐして血圧を安定させてくれます。
また地球温暖化の原因とされるCO2(二酸化炭素)を吸収する働きがあることは広く知られていますし、森林は雨水などの水分を体内に保水して、人間やその他の動植物にも活用出来るよう、その恩恵を与えています。
自然の営みの循環は、つくづくと寛容なのですね。
その昔、松尾芭蕉も『おくのほそ道』の道中で那須に立ち寄っていて、山里の黒羽には全行程5ヶ月間の内13泊14日という最長期間滞在していたそうです。
芭蕉は生涯を旅に費やし、また人生そのものを旅と捉えていたようで、
時は始まりと終わりを繰り返し、歩み続けて止むことはない。
といったことを『おくのほそ道』の序文に記しています。
またその作風はそれまでの俳句の気持ちベースの感傷的なものから、目に映った自然の有り様を人生に例えて詠う蕉風といわれる、俳句を芸術の域にまで昇華させた言わばレジェンドでもあります。
歴史に名を残した遠回りの達人も、那須の自然の中で癒されながら創作意欲が掻き立てられたのでしょうか。
今では様々な転地療養を目的としたリトリート施設もありますが、目標や目的を持たない、ただそこに佇むことが『究極の癒し』のように感じます。
豊かな自然がお互いにエネルギーを循環させ合って共存しているように、人も、そこに意味や意義を見出そうとしない、心地良い空間を共有し合える関係で寄り添って居られたら・・などと思いを馳せてしまいます。
こういった人の感性に働きかける力もまた、那須の圧倒的な自然から得られる恩恵のひとつなのですね。
『旅は道連れ世は情け』
Come on, continue the journey!